落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2021年1月22日金曜日

【 落語の雑則 11】 客が動けば話も動く

 【 落語の雑則 11】

客が動けば話も動く


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映画、テレビ、ピアノの発表会

客は傍観者である


落語の客は傍観者ではない

チームのメンバー


落語は

話というボールをパスし合う

ゲーム


キャプテンは落語家


作戦を立てボールを入れる

目指すはナイスな落ち


ならば


メンバーが動けば展開も変わる

そう

携帯が鳴れば展開も変わる

子供が泣けば展開も変わる

人の出入りがあれば展開も変わる


たとえ「芝浜」の最後で

酒を手に

「やっぱりよそう」と

しっかり間をとっている時に

突然

客の携帯がけたたましく鳴り出しても


「おい、外がにぎやかになってきたぜ、ありゃぁ気のはぇえやつらが正月気分で騒いでるんだぜ、はぁ、こいつを呑んで一緒に騒ぎてえところだがなぁ、うぅん、やっぱりよさあ」


「えっ、なんでだい」


「また夢になっちゃいけねえ」


客を棄てない

いつでも客と一緒

丁寧に客を拾いながら進む


そんな落語を追究したい





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