落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2009年11月10日火曜日

舞阪宿茗荷屋の鰻

江戸の頃もきっとこんなふうに見つめられていたのでしょう

今日の創作小咄#57
歌川広重 東海道五十三次 舞阪 今切真景


↓ PLAYでは千一亭本当が「舞阪宿茗荷屋の鰻」でご機嫌を伺います


「ご隠居、はらへりました」

「そうだなぁ、真之介、
もうすぐ鰻が出てくるぞ、
浜名湖と言やあ、鰻だ、
ここ脇本陣茗荷屋で
鰻とは格別ぞ」

「へぃ、いらっしゃい、
鰻重は松竹梅とありやすが、
いかがいたしあしょう」

「ご隠居、
ここはやはり松で」

「いや、
いかんいかん、
松はいかん、
松は不味いぞ、真之介」

「えーっ、
では竹で」

「いや、
いかん、
竹は高けえ」

「で、では
梅ですか」

「そうだ
梅が美味え、
では、梅を三つ」

「へぃ、承知いたしやした、
それじゃぁさっそく、
念入りに支度いたしやすんで、
四半時ほどお時間を頂きやすが、
よろしいですか」

「おう、
承知した、
あ、徳利を一本、
冷やでな。
ん、
お、どうした、ニコラス」

「いえ、
拙者も腹が減りまして、
四半時も待たされては。
食べたい気持ちも
冷めるというもの。
食べたいときが
美味いときでござる。
もそっと早くなりませんかの、
待っているうちに、
食べ時をにがしますぞ、
ご隠居」

「いやいやいやいや、
それは違うぞニコラス、
鰻はな、
松竹梅とある、
ゆえに、
まつたけうめえ」


今日の創作都々逸#88

産地ごまかし 鰻は浜名湖
コンパで何処なの 住所を聞けば
気どった顔して もごもご言うが
ゼンゼンチョウフじゃ 
そりゃ調布

(アーアヤンナッチャッタアーアオドロイタ)

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