「けれん」という言葉を知りました。
「けれんのない」とか、なんとなく聞いたことはありました。
でも、落語の世界で、「けれんはやめな」と使うというのは知りませんでした。
本来の話ではない、新たに加える「ギャグ」や、
やり過ぎる歌、踊り、所作、過大な動き、小道具等のことです。
この「けれん」を取り払ったら、
いわゆる「うける」落語はどうなるのでしょう。
後には、
話の変化と気持ちの変化が残ります。
ここだけで笑いを作るのが本来の落語なのかもしれません。
ラジオの時代には、この本来の落語がたいへんに磨かれたとききました。
今はテレビ、ネット、ハイビジョン、3Dの時代です。
溢れる情報の中で、
「けれん」が最大限の効果を生む環境にあります。
そして、それがために、心に深く感銘を与える話が出来る落語家が少なくなったのは事実だと思います。