落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2011年1月27日木曜日

新年会

【できたて小話】

「部長、今日は新年会ですね」

「おお、そうだな、今夜はみんなにご馳走しようかな、どうだ、何か食べたいものはあるか」

「はい、寒いですから、テッチリとか、フグをお願いします」

「いやいや、フグはだめだ、あたったらどうする、今度のプロジェクトは社運がかかっているんだぞ、あたるものはだめだ、そうだな、わしは四つ足が好きなんだ、四つ足ならいいぞ、そうだ、ブタシャブなんかどうだ、ギュウでもいいぞ、なにがいい」

「えっ、そうなんですか、部長、だったら、四つ足なら、なんでもいいんですね」

「ああ、いいぞ」

「じゃ部長、コタツはどうです、コタツも四つ足ですよ」

「いいや、コタツはだめだぞコタツは。
コタツはあたるものだ。」

     

宿屋の富3

1月20日の稽古会は「宿屋の富」でした。
写真は富くじが当たったところです。
言葉少ないこの場面は
とてもその複雑な心情を表現するのが難しく、
ことさら、当たったことに気付いたときの表情は課題です。
次回の稽古会に向けて「愛宕山」を始めました。
朝から「ちゃちゃらかちゃんたら、すちゃらかちゃん♪」です。
どうも自分だけ一足早く春の陽気です。
どうも風邪で体調が良くなくて、ヘロヘロしていますが、
それがまたこの幇間の「イッパチ」にはちょうど良い感じで、
楽しんでやっています。


【今日できたての小話

「近頃は犬もずいぶん利口になったな、
人の言葉が分かるんだな、
テレビにドンドン出てるぞ」
  
「携帯のCMだろ、
バカだなあ、
ありゃ嘘に決まってるだろ」
  
「いいや、
きっと犬はみんな利口なんだよ、
ほら、
それが証拠に、
そこの塀に書いてあるぞ、
『犬はウンチを拾いましょう』」


2011年1月18日火曜日

火焔太鼓3

16日の両国亭での「火焔太鼓」を終えて、
気付いたことがありました。
それは
登場人物の「甚兵衛さん」と「おかみさん」、
「お武家様」と「甚兵衛さん」との間に、
対比があると言うことです。
それは、
「落ち着き」と
「うわつく、あわてる、いらだつ、うかれる」の対比です。
これをもっと明確に描写することが出来れば、
さらに色濃いモノになると思いました。
 

そうこうしているうちに、
明後日20日は「宿屋の富」です。
この対比を「宿屋の富」にも生かせたらと思います。

2011年1月13日木曜日

所作の芸

月曜日に稽古会がありました。
16日が本番なだけに、
熱のこもった稽古でした。
その中で、ことさら印象的だったのは
寛太さんの「時そば」でした。
実にうまい。
うまい蕎麦はうまく、
まずい蕎麦はまずく食います。
丼が重そうなのもよかった。

「所作の芸」です。
サッカーなら
「話芸」がフォワードの得点とすると、
センターバックの得点です。

見事なだけでなく、
そこに芸の深みを感じました。
落語は他の芸事と同じく修練を披露するモノですが、
他の芸事と大きく違うのは、
落語は客を取り込んで初めて出来上がる芸なのです。

その意味で、
「所作の芸」は披露するだけになりがちなのですが、
寛太さんの「そば」はきちんと客を取り込んでいました。

これが、以前、芝居の所作を入れた落語で、
客を突き放して、悦に入ってやっている

有名な落語家を最前列で見たことがあります。
ボクが芝居に無知なのが理由ですが、
どこか突き放された気分でした。
そうゆう客を少なくとも、
ボクを含めて一人以上作ってしまっては、
もはや落語とは言えまいと思ったものでした。

「いきも過ぎれば野暮になる」
まさにその言葉通りでした。

自信があればあるほど、
客を離さない「いきの量」が大切なのでしょう。

「所作の芸」は「いき」です。
だからこそ難しいと思いました。


風邪はほとんど良くなりましたが、
まだフラフラします。
今日も寒かったですね。

もしかすると、こんな季節ですから、
寛太さんの「時そば」に
もっと「寒さ」を盛り込んだら、
さらに美味しいお蕎麦になるかもしれません。

2011年1月9日日曜日

寝正月

風邪を引いてしまいました。
文字通りの寝正月です。
声を出すと咳になりますから、
落語もできません。
ところが、じっと天井を見ていると、
ああ、こうするともっといいとか、
ここがおもしろくないのはなぜかなとか、
考えられました。
今回の収穫は「化け物使い」と「厩火事」です。
去年「元犬」で同じようにずいぶんと遊びましたが、
今回はかなりいいものができました。
いずれきちんとした形にしたいと思います。
落語は「遊び」ができる芸です。
また「遊び」がないようではいけないのかもしれません。

今月は16日に両国亭で「火焔太鼓」
20日に千一亭で「宿屋の富」

どちらも音楽に例えればロックであり、
どちらも最後の「サビ」の部分に最大の
ダイナミズムを表現する構成力が試される話です。

「火焔太鼓」は15分です。
ほぼ半分の時間にしなければなりません。
そこで考えました。
この話は誰の話なのかと。
この話は甚兵衛さんの話です。
ですから、
甚兵衛さんから離れているエピソードから
切っていきました。
そして女将さんはちょっと可愛くしました。
「お前さんも、かわいいところがあるよお」
と言ったり、
「惚れ直したよ、お前さん」
と柱につかまりながら言います。
ここに江戸の「いき」が表現できるといいんですが。
どうでしょう。

「宿屋の富」は本寸法です。
40分といったところです。
この話は大きく3部に分けられます。
それぞれをテンポを変える必要があると思いました。
緩・急・緩急
と出来るといいんですが。

2011年1月1日土曜日

2011/01/01

昨年は皆様の応援に支えられまして、
ここまで頑張って参りました。
本年も何卒ご贔屓下さいますよう。
よろしくお願い申し上げます。

今年のテーマは「いきな落語」です。
この「いき」について考えていきたいと思います。