落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2021年1月31日日曜日

【 落語の雑則 20】 ダレたら高い声で驚く


せせらぎ

あまだれ

さざなみ

交響曲の第二楽章


強弱の少ない音は

ダレる

気持ちよく

眠くなる


客の顔が

モヤってきたら

話はダレてる


そんな時は

驚く場面で

精一杯高い声を出そう


これは

特効薬

用量・1高座に1回

何度も使える手ではない


特効薬は対症療法

これでは

いつまで経っても

治らない


病因は何かを探ろう

根本治療ができれば

薬はいらない


ダレない話


そんな落語を追求したい


ーーー


「落語は寝たっていいんです。だってマクラがあるんですから。」なんて聴きますが、よくないと思います。それは寝ることでは楽しんだ実感が持てないからです。意識で楽しんでもらって落語といえるのではないかと。強く言えばお客が寝てたらそれは落語では無く子守唄じゃないかと、、、心底反省しています。






2021年1月30日土曜日

【 落語の雑則 19】 場面毎は一気の話



ーーー


話は場面の連続に

意味のある場面の連続に


序盤もダレ場も終盤も

それぞれの意味を


誰の場面か

どうした場面か

誰がどうした場面なのか


これを覚えたら

落語を覚えたようなもの


誰の落語か

どうした落語か

誰がどうした落語なのか


これを決めれば

落語が決まったようなもの


主人公が誰か

主人公がどうしたか

落語はわかりやすく


短時間で

映像の助けなく

事柄を伝えるには


場面毎の意味を

ハッキリと


場面の意味と意味とで

話の意味に


一気に語れる意味のある

小さな場面の集まり

その情景と情動とが

意味を示す


そんな落語を追究したい


2021年1月29日金曜日

【 落語の雑則 18】 小道具の動きは前もって用意


いつの間にか手にしている

いつの間にか消えている


ミスディレクション


カミテに話し

客の意識がカミテに向いている間に

そっと右手で右側の小道具を取る


シモテに話し

客の意識がシモテに向いている間に

そっと左手で左側の小道具を取る


タイミングは

直前の場面の半拍前、

3拍子なら

1、2、3の裏


その場面には既に

形が出来ている


消すのは次の場面で

ゆっくりと

ゆっくり動かせば

客の目は動かない


取るのはスっと

消すのはゆっくりと


左手で取るのか

右手で取るのか


右側に置いておくのか

左側に置いておくのか


場面とタイミングとの

関係を

あらかじめ決めておく


準備も片付けも

客に見えない動きで

気がつけば

いつの間にか形になっている


そんな落語を追究したい



2021年1月28日木曜日

【 落語の雑則 17】 忘れたものは無かったもの

 

川面を落ち葉が流れ行く


同じように

落語の言葉は

次々と流れてくる


お客は次への期待で

話を聴く


過ぎた話に囚われて

思い出している暇は無い


間違えようが

忘れようが


過ぎれば

無かったことと同じ


囚われない

気にしない

只只只只

先を考えるだけ


落語は科学では無い

どこかが破綻しても

どこかが楽しければ

それが正解


不完全でいい

不完全だからこそ

明日への伸びがある


不完全だけど

なんだか楽しい


そんな落語を追求したい


2021年1月27日水曜日

【 落語の雑則 16】 ぼくはできないけど志ん朝さんはこうしてた


そのあとに

一緒に頑張ろうと

続く言葉が聴こえる


君にはできる

そして

ぼくもできるようになりたい


たとえ

できなくても

一緒に

目指そう


指導者がいなくても

師匠がいなくても

目指すものがあるなら

それが指導者

それが師匠


遥かに

去って行く

後ろ姿を追いかけて

少しでも

近づいていく

互いの姿に喜んで


どこかに

そんな

共に歩む

友の存在を感じれば

明るい気持ちに

照らされる


話の世界を

明るい気持ちで

照らし出す


そんな落語を追究したい



2021年1月26日火曜日

【 落語の雑則 15】 偉いお方を笑えない

 

落語は猫背


背を丸く

肩を落とし

顎を引く


偉い偉くないにかかわらず

偉そうに振舞う落語家は

どうだろう


顎を突き出し

頬骨越しの視線の先で

扇子を振り

不平不満をネタに笑わせる


落語は料理と似て好き嫌い

楽しければそれが正解


けれど

苦いものは苦い

辛いものは辛い


ちょっとやしばらくは

いいだろう

でもずっととなると

どうだろう


いつ聴いても

何度聴いても

やっぱり上手いな

楽しいな


そんな落語を追究したい



2021年1月25日月曜日

【 落語の雑則 14】 感情を振り切りらない


痛い芝居

痒い芝居

恥ずかしい芝居


一つの感情だけを出そうとして

振り切れている


子供の芝居のよう


味なら

塩気だけの塩味

甘いだけの甘さ

コクも旨みもない


一歩手前で抑えて

他の細かな感情を加える


敢えて示したい感情を示さないで

表現するのも大人の芝居


様々な感情の揺れ

常に変化する感じ方と反応


味わえる表情


そんな落語を追究したい



2021年1月24日日曜日

【落語】 千一亭志ん諒「 明烏 」( アケガラス ) 【 第111回志ん諒の会(千一亭志ん諒独演会)2021年1月24日 】

【落語】 千一亭志ん諒「 宵烏 」( ヨイガラス ) (自作#15、ネタおろし#172)【 第111回志ん諒の会(千一亭志ん諒独演会)2021...

【 落語の雑則 13】 息継ぎは次のセリフの途中で


実際の会話や

舞台の台詞で

相手の言葉に

被せるように

話し始めるのは

穏やかとは言えない


けれど

落語では

連続性がお客を

引っ張っていく

大きな要素である


それは音楽と似ていて

途切れると

そこでお客は離れて

我にかえってしまう


落語は言葉の音符で

奏でる曲


途切れずに音は流れる


台詞と台詞の間に

息を吸うと

そこで途切れてしまう


う〜んと考えるのなら

そこに

う〜んの無音の音がある

無音でも途切れない


そこで

台詞の途中にう〜んを入れて

素早くと息を吸う


相手の言葉に繋げて台詞を言い

う〜んで息を吸って続ける


繋ぎを意識すると

被せ気味の会話になるが

落語ではその方が

二者の会話である事の

理解を補強する


途切れないが流れない

ツブツブがハッキリみえて

気持ちよく進んでいく


そんな落語を追究したい



2021年1月23日土曜日

【 落語の雑則 12】 怒鳴らない

 落語はお座敷芸

他のお座敷に迷惑をかけない


つねに和やかに

朗らかに


怒鳴る場面では

腹に力を入れ

喉の奥から

腹の中に怒鳴るような

小さいが力の入った声を出す


決して大声で怒鳴らない


客が怖いと思った瞬間

話から離れてしまう


登場人物の怒りを

面白さに変えるには

滑稽なくらいな真剣さ

の中に

切ないやるせなさを

内包する表現


怒っている自分に

笑ってしまう感覚を

思い出させるような

手も足も出ない

状態での内に向かう怒り


常に青白い炎の怒り

決して爆発する真っ赤な炎の怒りではない


怒る者を傍から笑えるくらいの

かわいい怒り


子供の怒りに近い表現


そんな落語を追究したい



2021年1月22日金曜日

【 落語の雑則 11】 客が動けば話も動く

 【 落語の雑則 11】

客が動けば話も動く


ーーー


映画、テレビ、ピアノの発表会

客は傍観者である


落語の客は傍観者ではない

チームのメンバー


落語は

話というボールをパスし合う

ゲーム


キャプテンは落語家


作戦を立てボールを入れる

目指すはナイスな落ち


ならば


メンバーが動けば展開も変わる

そう

携帯が鳴れば展開も変わる

子供が泣けば展開も変わる

人の出入りがあれば展開も変わる


たとえ「芝浜」の最後で

酒を手に

「やっぱりよそう」と

しっかり間をとっている時に

突然

客の携帯がけたたましく鳴り出しても


「おい、外がにぎやかになってきたぜ、ありゃぁ気のはぇえやつらが正月気分で騒いでるんだぜ、はぁ、こいつを呑んで一緒に騒ぎてえところだがなぁ、うぅん、やっぱりよさあ」


「えっ、なんでだい」


「また夢になっちゃいけねえ」


客を棄てない

いつでも客と一緒

丁寧に客を拾いながら進む


そんな落語を追究したい





2021年1月21日木曜日

【 落語の雑則 10】 主人公から話に入る


例外は多い

けれど

最初の発話は

主人公にしたい


それは

この話はこの人物の話だと

知らせるため


落語は短時間の勝負

その落語が誰の話なのかを

最初に示す事が有効


客は最初に見た人物から

人間関係を見ていく

だから

真ん中に来る人物を

最初に示す


そうならない話でも

主人公の話題から始める


「明烏」では最初の発話は父親だが

その内容は全て主人公の話である


分かりやすく

話に入りやすい落語


そのためには

主人公を明確にし

主人公との絡みで進行していく


そんな落語を追求したい



2021年1月20日水曜日

【 落語の雑則 9】 見えない相手を見て話す


落語には二種の対話


見える相手に話す

客と落語家の対話


見えない相手に話す

登場人物同士の対話


宙の一点、壁、柱

それらを見ての話の

相手との距離は

それらとの距離になる


見えない相手を見て話す

そこには相手との確かな距離がある


距離を意識して話すのでなく

相手を意識して話す

相手が動いている事もある

相手が来る事も、去って行くこともある


相手が見えていれば

距離は自ずと伝わるもの

距離が伝われば

舞台はより鮮明に見えて来る


見えない相手を見て話す

そこには相手の委細な造形がある


人は相手の様々は所を見て話す

目を見て話すだけではない

描き込んであるのなら

微な視線の移動は

情動を伝える

言葉より

確か


そんな落語を追究したい


2021年1月19日火曜日

【 落語の雑則 8】 テンポはギアチェンジ

一速のマクラ 二速、三速と上げて マクラの落ちに 軽くブレーキ 二速に落とし コーナー抜けて 本編 三速、四速 シフトチェンジ アクセルワーク くすぐりのヘアピンは しっかりブレーキ ダブルシケイン 減速加速の繰り返し でも高速コーナーじゃ ブレーキランプは 光らせない ラスト 最終シケインで きっちり減速 さあ メインストレート アクセルベタ踏み 一気の直線 舞い踊るフラッグ やわらかくブレーキ そして ゆっくりおじぎ そんな落語を追究したい


2021年1月18日月曜日

【 落語の雑則 7】 先は知らない知るわけがない


話の場面の
予想外の展開に
一番驚くのは
お客でもなく
落語家でもない

それは
登場人物本人

次に起こる事が
知らないからこその
声であり
表情である

そこをじっくり味わいながら
知るを演じる
そして
演じきったとうなづいて
次の場面へ

そんな落語を追究したい

2021年1月17日日曜日

【 落語の雑則 6】 二者に強弱を付ける


二者が
強い強いは
耳うるさい
弱い弱いは
届かない

強いには弱く
弱いには強く

対比のない場面はない

情動のない場面はない

Aが
強く発話して
Bが
弱く受けてからの
情動の変化から
強く発話する変化に
Aが
弱く受ける変化

つねに変化する情動

そんな落語を追究したい

【 落語の雑則 5】 流れはいつも上手から下手

 川の流れも

吹き付ける雪も
山道の傾斜も

上手から下手へ

呼び止めるのは
上手
呼び止められるのは
下手

振り返るのも
下手から上手へ
肩で体の向きを
下手にし
顎で顔の向きを
上手に振る

舞台も
高座も

流れは
いつも
上手から下手

そんな落語を追求したい


【 落語の雑則 4】 カミシモはカメラのズーム

 引きの映像として見せたいなら

カミシモは大きく
二者の間隔を意識して
舞台で客席に45°の角度で
立って演じている感覚で

アップで見せたいなら
カミシモは小さく
正対した二者を意識して
一方の肩越しに顔をアップに
見せている感覚で

そんな落語を追究したい

【 落語の雑則 3】 所作は話の後に付く

 お客は見ている

一挙手一投足を

扇子いじりも
貧乏揺すりも
それらは
話の邪魔
興をそぐばかりか
お客は話から離れていきかねない

無意味な動きは話の流れを止める

話に先行する所作は
その時点では無意味
話しがあってこそ動きに意味が付く

そんな落語を追求したい

【 落語の雑則 2】 受けてから投げる

発話は
何かを受けて
発話する

実際は
瞬時に思考し
発話するが

落語では
お客の思考のための
誘導と時間が必要

間をおく

間は時間では無く
情動の誘導

共鳴し
会場が一つに

発話の前に
受ける
受けた情動から
発話する

そんな落語を追求したい

【 落語の雑則 1 】 筋は二の次三の次

 面白い話

面白い話
面白い話
それらが
繋がって
筋ができる
筋の中に
無理に押し込む
面白い話は
筋に響く
面白い場面の連続
そんな落語を追究したい

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美味しい
美味しい
美味しい

食事はしたい
栄養が良ければ
美味しくなくてもいい
というのは
いい食事とは言えない
不味いのは
好き嫌いだからと
配慮しないのは
いい食事とは言えない
うまい
うまい
うまい

満足する
そんな落語を追究したい

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文字は邪魔をする
落語をするには
原稿は役に立つが
それ以上に芸の邪魔をする
文字から離れる
なぞることから離れる
話と客の間を感じる
細かな感覚こそが落語を作る
文字には見えてこない
原稿には書かれていない
文字から離れるには
原稿を棄てるには
そして
落語を作るには

第112回志ん諒の会チラシ



 

第111回志ん諒の会チラシ