落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2015年1月30日金曜日

中学時代


中学時代
のときめき

思えば

唇の端がゆがむ


ああ、どうしているのかなあ



中学時代
のときめき

思えば

胸の奥がゆれる


ああ、どうしているのかなあ



制服、一人の机、腕時計

「今日からはもう叱らないからな」



中学時代
のときめき

思えば

瞼の裏がにじむ


ああ、どうしているのかなあ



2015年1月28日水曜日

スナップショット by 伯爵さん


カメラマン・愛称・伯爵さんが高座写真を撮ってくださいました。お客様の笑い声が聞こえてきそうな柔らかな空気感の素晴らしい写真です。
ありがとうございます。
励まされます。
更に頑張ります。











2015年1月22日木曜日

ニュース


テレビを消す


茶柱がゆれる



2015年1月20日火曜日

第41回志ん諒の会チラシ



ダイビング

魚 魚 魚


ぱっちりした目

小さな口


焼きづらい

茹でづらい

食べづらい



2015年1月19日月曜日

2015年1月15日木曜日


やわらかな布団

やわらかな枕

やわらかなカーテン

やわらかな日差し


やわらかなシャワー

やわらかなタオル

やわらかなバター

やわらかなパン


やわらかな朝



哺乳類


犬を見る

優しい気持ちになる

犬は哺乳類


猫を見る

優しい気持ちになる

猫は哺乳類



人も哺乳類


人は哺乳類



2015年1月14日水曜日


パラグライダー

風を背に舞い上がる

眩しい空

下を見ると米粒を撒いたような牛

風と一緒に空を飛ぶ


ヨット

風を背に沖を目指す

眩しい海

上を見ると何処までも高い空

風と一緒に水面を走る


風と一緒に進むとき

あたりまえのように

風は吹いているのに

風を感じることはない


向きを変えるとき

あたりまえのように

向きを変えるなと

風は急に吹いてくる


パラグライダーのブレイクコードを

ヨットのシートを

引き絞る


向きを変えるには

チカラがいる

向きを変えるには

チカラがいる



2015年1月12日月曜日

冬の窓辺


ひだまり

座布団を枕にすると

太陽の匂いがする



2015年1月11日日曜日

タヌキ


夜の県道

タヌキが死んでいる


眩しいヘッドライト

それが鉄の塊なのを

タヌキは知らない


テレビ、新聞、ラジオ

垂れ流される

嘘、嘘、嘘


願いがあるから嘘をつく

嘘は願い

願いは希望

希望は光


ヘッドライトが眩しい

けれどいつか夜は明ける

タヌキでいてもいい

楽しく暮らそう

明るくなれば車は見える


でもそれまでは

暗い夜中に光る

ヘッドライトに気をつけよう

危ない

危ない



2015年1月10日土曜日

信号待ち


冬の交差点

信号待ち

汚れた男は縁石にあぐらをかいている

隣には雑然と纏められた荷物


揺れる肩

垢まみれの顔

固まった髪

裂けた靴


つぶやく口

ただよう眼

震える指先


助けを求めている訳ではない

救いを求めている訳ではない

けれど


もし

男が子犬だったら

迷わず抱き上げるだろう

もし

男が少年だったら

迷わず抱きしめるだろう


信号が変わった

人の波に押された


押されるがままに

その場から離れていく

男から離れていく

自分から離れていく



2015年1月9日金曜日

別れ


背中

かすむ



2015年1月7日水曜日

ご飯


茶碗にフワッと盛られたご飯

湯気を通してつややかに光っている

おかずより

おつゆより

ご飯がなによりのごちそうだ

左手に茶碗を持ち、右手に箸を持ち

ご飯に向かうとき、いつも微笑んでしまう

喜んでしまう

こんなに長く付き合っている食べ物は他にはない

いつも会っているくせに

会うたびにまた会えたねと喜んでしまう

箸に乗せ、口に運ぶ

温かく体が満ちていく

会えない時間が長いほど、再会の喜びは大きい

温かく甘い香り

口を閉じ、ゆっくりかみしめる

ほのかな甘さが体を包む

再会の喜びは思い出と共にやってくる

感じて食べる

喜びは味に

感じて食べる

味は喜びに

味は喜びになっていく



2015年1月4日日曜日

看板


正月 朝 街角

食堂の看板が倒れている

ときおり道行く人は

雪空の寒さに身を丸くしている

看板はうつぶせに倒れていた

看板を見ながら通り過ぎた

看板から目を離して前を見たとき

看板を起こそうと決めた

重さは感じなかった

看板が見えなくなるところまで来て

大丈夫かなと振り返って見た

看板は立っていた

喜ぶわけはない

看板が喜ぶわけはない

正月 朝 街角

雪空の寒さにまた身を丸くした



2015年1月3日土曜日

新年


あけましてありがとうございます。

この2015年を迎えられたことに感謝します。

また、ありがたくお日様と共に明日がやってきます。

明日からやって来るのはどんな明日なのかな。

穏やかな明日ならいいなぁ。

いやいや、どんな明日だろうと、穏やかに過ごそうじゃないか。

穏やかであれば、どんな明日も穏やかに過ぎていくだろう。

いつも、穏やかであることに感謝したいな。

どうやら、何事も動いているから停まりたくなるようで。

何事も停まっていると動きたくなるようだ。

だから、停まっているように穏やかであれば、そこに動きたくなるチカラが湧いてくる。

そのチカラを勇気と言うならば、穏やかな所に生まれる勇気も、穏やかな所に生まれる感謝も、心の働きとしては同じ働きに違いない。

感謝は相手を肯定することだ。

なるほど、だから、相手を否定していては明日への勇気は生まれないのか。

今年一年また明日への勇気を持ち続けていこう。