落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2021年3月2日火曜日

【 落語の雑則 49】 届く声でささやく

ささやき声で

「ねえねえ、こんなことあったんだよ」と耳打ちするような話

それを多くのお客さんに届ける芸


言葉の機微は小声だから出るもの

ささやきはあくまで小声

大声では伝わらないばかりか耳を塞がれてしまう


お客さんに伝わる大声で言葉の機微を表現するのは難しい


だからマイクかな


いやいや

近頃の演劇のように

耳から伸びる細い棒に頼る演技では

気持ちが伝わりにくいように

マイク頼りの落語もまた伝わらない


いや、たとえマイクを通した声であったとしても

マイクなしで伝わるだろうと思われる芸だからこそ伝わるのだろう


自分の周り1m、いや、30cmの芸ではアップで切り取った動画ですら芸の小ささが露呈する


演劇はもっとだろうが、少なくとも芸が10mは届いて落語と言えるのではないか


10m先にささやくように話す芸


そんな落語を追求したい




 

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