落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2009年7月5日日曜日

笑顔

集合写真を撮ります
「はい、笑ってぇ」
と言います

あとで写真を見ると
笑顔になっているのは
半分くらいですね
表情筋という
筋肉達が いまして、
これらが 笑顔を
こさえているわけですが、
これって、
使ってないと
使えなくなってしまう
らしいんです

ですから
笑えない人って
いるんですよ
でも、そのひとだって
顔に出なくても
笑っているんです

犬だってそうです
うれしいときは
笑っています
だって 尾っぽに
出ちゃってますから
隠せませんね
そんなときにも
顔は笑っていなくても
笑っているんですよ

笑わないと立派ですか
笑わないと真面目ですかねぇ

威張るとき恐い顔してる
しとっていますけど
ボクがいままでしってる
ほんとの大物は
笑って威張ってました

笑わない真面目なしとって
いますけど
ボクがいままでしってる
立派なしとは
真面目のなかに
笑うゆとりがありました

威張るも真面目も
離れて自分を見る目
そんなものがあるような
しとは
大物だったり
ゆとりがあったり
するんでしょうねぇ

笑うときって
一瞬自分だけになりますよね
相手から離れて
自分の中に立ち返って
そしてこみ上げてくるもの
ですよね

昔ギリシャでは
「美しいものとは呼ぶもの」
と言っていました。
それに習えば
可笑しいものとは
こみあげさせるもの
ですかね

じゃあ
どこに込み上げるのかぃ
と聞けば

もちろん
自分の中に
込み上げるんですから

相手が
可笑しいことを言っても
笑う一瞬前は

相手から離れて
自分だけになって
込み上げてくる笑いを
気にしているんです


そして
ジワッと来る

笑っているときは
相手と一緒です
それが
劇中の人物だとしても
そいつと一緒に
笑ってる

落語てぇものは
思い描かなきゃ
いけません
すると
自分の中に
イメージを作るような
心の動きは

すぐに
自分に
働きかけられる
わけですから
そりゃあ

笑っちゃう
んでしょうね

落語が面白いわけって
きっとそんなのも
一つじゃないかしらねぇ

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