落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2009年7月8日水曜日

首屋を切り損ねた

『ぇええーっ
首屋が
ひょいっと
体を躱します
傍らの
風呂敷包みから
張り子の首を
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
これこれこれこれ
これは張り子
その方の首じゃ』

このとき
師匠は
扇子を持たず
手で相手を指し示します。

刀は
どうなったのでしょう。

刀の
刀身重量は
およそ一キロ
あるそうです。

一度だけ
脇差しを
振ったことが
ありますが
その重いこと。

振り始めたら
途中で
止められない
くらいの
重さでした。

その脇差しは
40センチくらい
でしたから
刀の半分くらいの
重さのはずです。

ですから
首屋を切り損ねた時、
渾身の力で
空振りした刀です、
実際は
中間が敷いたムシロを
真っ二つに
したことでしょう。

玉砂利にめり込んだ
刀は
バンカーで
目玉を打ち損なって
めり込んだように
なっていたはずです。

だから
扇子を振って
示すわけには
いかないわけですね。

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さて、こんな続きは
いかがでしょう
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『こらぁ
看板でござんす』

首屋が木戸に向かって
走ります。
三太夫さんと中間達が
後を追いました。

しかし、
その逃げ足の速いこと。
三太夫さん、
ほどなく戻りまして、

殿、不覚にも
逃げられました。
いかがいたしましょう。
捜しだして
討ち取ろうと
思案いたしましたが
屋敷お外は
町奉行の管轄
昨今は何かとうるさく、
面倒なことに
なりませんと
よろしいので
ございますが

うん、
わかっておる、
じゃが、
たいしたことではない、
見ろ、
この張り子の首、
いまだ
出来上がっておらんぞ
さすれば
返品するがよかろう

はっ、
しかし、
返品するにも
いずれに

案ずるな
いずれ
向こうから参る
首を売り歩いて
おったのじゃ、
こんどは
胴を売り歩く

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