勝手に考えたんで、
なんの考証もないって
ことで
お許しいただいて。
以下は全くのつくりもので
原作とはなんの
関係もありません。
「首屋」は武士を騙す噺です。
詐欺です。
でも、アタシは
首屋さんは
あくどい詐欺師だとは
思えないんです。
その理由を
これからお話しします。
首屋さんは
芝居小屋の道具師
ってことにします。
首屋さんには
いい仲のしとがいました
これが
ぃぃいいいー女!
ところが旦那が
付いていた。
揉め事です。
その当時、
男女の揉め事を
お金で収めると
相場は
七両二分
だったそうで。
それを収めたのが
小屋の座長です。
「おめぇは
いままで、ほんとに
よくやってくれた。
書き割りから看板まで
ま、はっきりいって
おめぇがいなかったら
この一座は
無かったようなもんだ。
だがよ、
旦那はここをこさえてる人だ、
旦那の顔をつぶすわけにゃ
いけねぇんだ。
そのうえ、元は鳶
一度怒ったら
なかなか静まらねぇ。
だから、おめぇにゃ
上方すら紹介できねぇ。
悪いが、
ここには
置いておけねぇんだよ。」
「はい、
承知いたしております
用立てていただきました
七両二分は
必ず
いつの日か
お返しに参ります。」
「ああ、
そんなこたぁ、
わかっているよ
きっとそんときは
ほとぼりも
冷めてるだろうからな
も一回
旦那ンとこに
俺がいっしょに
詫びを入れてやる
そんで、お許しが出たら
また
いっしょにやろうじゃねぇか」
「ありがとうございます。
へぇ、
これはせめてもの
お詫びのしるしで、
今ある銭
全部です。
それと、これが
今度の芝居で使う
生首の張り子で、
まだ仕上がって
ないんですが」
「おめぇの首を
仕上げられる
やつなんて
他にいねぇえんだから、
作りかけの
おめぇの首なんざ
いらねぇよ。」
見送られもせずに
一座を後にしました。
「どうしよう、
有り金全部
置いてきたしなぁ
あるのはてぇと、
この
おれの首かぁ
これがあってもなぁ
作りかけだし
売れねぇよなぁ
、、、
なんとか
おれの首
売れねぇかなぁ
、、、
そして、
『ぁーあ、
えれぇことんなったなぁ
とうとうこうやって
てめぇの首うってぇ
あるくはめんなっちゃったよ』
と、
原作に続くんじゃないかと。
首屋さんは
いたって真面目なしとなんです。
ぃぃいいい女が
惚れちゃうしとですよ。
だから真面目に
長屋の女将さんに、
なんとか
張り子の首を
買って貰おうと
思ってたんです。
もちろん
そんときは
二十文とか
そんなもんでね。
だけど
作りかけじゃだめだから
自分の首をと言って
売っといて
買ってあげるよと
言ってくれたら
代わりに
風呂敷包みを
置いていくつもり
だったんです。
だから、
長屋で声が
かかったときに
あんなに
嬉しそうなんです。
それが
お屋敷に
通されたあたりで
これは
大変なことになってきた
と思った。
張り子の首を出せる
雰囲気じゃあない。
これは
本気で
首を切ろうとしているな
と感じるわけです。
いまさら後には引けません。
そのとき
思い出しました。
今度の芝居の
切腹の場面。
そうだ、
あの手で
やってやろう、
と思いつくんです。
そう、刀を下ろした
瞬間に黒子が
首を転がすんです。
そして、
お殿様に
言い値といわれて
思わず
七両二分
と言っちゃった。
真面目なんですね。
それが
義理を通すのに
必要な額だから
って
それを言っちゃう。
儲けてやろう
なんて
考えない
真剣に
座長の気持ちに
報いようと
しているわけです。
そんな
「首屋」
なんだと
アタシは思ってます。
その後ですか、
七両二分
持って帰りました。
座長は喜びましたね。
女だって
黙っていませんよ。
そりゃぁ
すきなしとですからね。
それが
男を上げたって
話を聞いて
放っておくはずは
ありゃあせん。
さて、その後の顛末は。
・
駆け落ちです。
二人仲良く手に手を取って
「あらら、
いけないよ、
おまえさん、
向こうから
追っかけてくるのは
旦那だよぅ。」
「えっ、
そいつぁ
てぇへんだ、
脚、 速ぇんだよ
、
旦那は元は鳶の頭」
「じゃあ、
おまえさん、
こんどは
頭屋
になるんだね」
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