落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2009年7月13日月曜日

主人公の首屋

主人公の人柄、料簡を
決めておかなくちゃ。

「えれぇことんなったなぁ
とうとうこうやって
てめぇの首うってぇ
あるくはめんなっちゃったよ」

このとき、すでに、
首屋は仕事をしようと
決心してたはずです。
やろうという決意はある。

それは
「この首うってぇ
なんとかしよぉ」
ではっきりと示します。

ところが
そう、声に出してみると、
現実がはっきり見えてきます。
そこで、
急に不安になりました。

「といってもなあ」
から
「あー だそう ともうと
こえってぇのは
でてこねぇもんだなぁ」
までは不安を抱えている
心境です。

どうしたらいいんだ
どうしたら、と
悩みながら
考えます。

それが、
「えーくくびっ、
くびぃやぁでぇござい
ぁー、 やの字入れると
あと、 つぅっと出てくんだな」
から、
勇気がわいてきます。
こりゃぁやれそうだぞ、
自信が出てきます。

そこで客から声がかかれば、
自分の仕事の
第一段階は成功した
との思いと
次なる期待で、
気持ちは高揚し、
声も張りのある
明るい声です。

ところが
「くびぃ
あらいやだ
なんのくび」
と言われて
心に雲がかかります。

「いやだねぇ
まぁ、きみがわるいね
そっち いっとくれっ」
で、がっくり。
落ち込みながら、
歩きます。

で、
「そうだ」
と言ったとき、
ここで、ひらめきに
光明を見いだします。
また自信が湧いてきて、
声に張りが戻ってきます。

「りゃんこに
買ってもらおう ね
おさむらいなら
度胸だってあるしね
ことによると
買ってくれるかもしれねぇ
よしっ
屋敷町まわろ、」

---つづく

2 件のコメント:

  1. いやぁ~、
    昨日のお蕎麦の美味しそうなことったら。
    豪華な天婦羅もたまんねぇや。
    夏の暑い時期には風鈴のチリリリ~ンなんてぇ
    音聞きながらこんな蕎麦を食ってみたいもんだねぇ。
    ん~、そういやぁなぁ、ガラスの風鈴てぇもんは
    これだけ生産技術の進んだ近年においても
    いまだに一つ一つ手作りてぇんだからなぁ。。。
    何でも、一つとして同じ音色がねぇって話で驚きだぁ。
    おいおい!!それって落語にも言える事じゃねえかい!!同じお題でもなぁ、話す人間によって、全く違うもんになっちまうてぇ事だ。
    聞いてるだけなら、玄人でも素人でも面白けりゃあ
    かまわねぇけどなぁ。
    これが、話すって事になりゃなぁ。ただ暗記なんかしてもダメ。
    その人らしい「あじ」がなけりゃあ、話す人間の器量が問われるってぇもんだ。
    ガラスの風鈴も落語も日本の風物詩、伝統芸能。
    何かと世知辛い世の中だけど、無くなって欲しくないねぇ。。。。。。。

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  2. 河原で焼いた芋、
    そんな例えがいいかもしれません。
    あそこで食べたら
    どんなものでも
    美味しいんだろうなと。
    そもそも、自分の味覚は
    当てにしていませんからね。
    そう、
    美味しいってやつは
    喉だけじゃない、
    全身で作られるもの
    なんでしょうね。

    玄人の玄って字は
    素人の素って字から
    頭の士と脚の小を取ったものです。
    だから、
    いや、
    それだけなんですがね。

    なんとなくよくやるでしょ、
    そうゆうの。

    ま、あたしも、
    たいして違いはないって
    言いたかっただけなんですがね。

    先日、師匠の「水神」で
    カラスが夕焼けに染まって
    飛んでいきました。
    光が差し込んでくるようでした。
    そりゃそうです。
    窓ガラス
    です。

    いや、
    ガラスの風鈴のお話で、
    思いついただけでして。

    そうだ、
    こんどの花火にゃ、
    風鈴と蚊取り線香を用意しょっ。

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