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落語草もブログらしくなっていましたが、
今日はまたまた、ダラダラと考えてみたいと思います。
前回、「上下を間違えた」とき、
間違えているのは
上下ではないように思うと言った訳を説明して、
落語の構成について考えてみましょう。
これは繰り返しになってしまいますが。
写真は柳家小三治さんの「芝浜」の一場面、
「ぶつなり
けるなり
してください」---①
「どうぞ
お手をお上げ下さい」---②
写真①②から2人の配置を考えると、
写真③④のようになると思います。
この2人が、魚屋さんの奥の座敷に居るわけです。
ボクは「上下を間違えた」訳は、
このような全体像が捉えられていない
からだと思うのです。
登場人物が2人以上になったり、
動き回ったりすると、
全体像を捉えておくことが
さらに重要になると思います。
落語の初心者に上下を説明するときによく、
部屋の何かを見ながら話すようにとか、
座布団の角から出ないようにとかの
説明を聞きます。
ちょいとくどくなりますが、
これは初心者にスキーを教える時に
ボーゲンを教えるようなモノだと思います。
確かに雪面を滑ることはできますが、
ボーゲンからパラレルに進むのは
エッジの使い方が大きく違うため、
かえって邪魔になり、大変苦労します。
これと同じように、
上下を何かの対象物に置くことは
その形で、落語らしくは見えるでしょうが、
その形を意識し、その意識に囚われることは
登場人物に話しかけ心情を表現するうえで、
邪魔になるように思います。
なにより、そこに登場人物を立ち上がらせ、
その人物の目を見据えて話す稽古が
大切だと思うのですが。
このことは初心者にはことさら
大切なことだと思うのですが。
さて、
ところで、このように、
詳細な位置関係を設定することが、
落語の持つ、
「想像の楽しみ」の障害になると
お考えになる方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに、落語は「話芸」です。
しかし、その「話芸」の中の声は、
位置関係によって変わります。
近くの人に話すのと、
遠くの人に話すのとは違う声になりますから。
また、それが話の中で不安定では、
「おや」っと聞き手に疑問を持たれてしまいかねません。
それは正に「想像の楽しみ」の障害になるわけですから、
やはり、位置関係の設定は
聞き手の想像を助けることになると思われます。
ここで、
落語の構成を考えるときに
建築で言えば基礎に当たる
次の三つが大切だと考えます。
(1)聞き手が舞台をハッキリと思い描く。
(2)出来事の前提や経過を明快に納得する。
(3)登場人物の心情を理解するか、心情に共感する。
この上で、話は落ちに向かって展開し、
突き進んでいくのです。
その(1)の舞台設定がいままで考えてきた、
登場人物の配置でした。
ただ、
これまでまだ、
舞台用語の「大道具」については
考えていませんでした。
次回は「かきわり」をどのように表現できるのか、
聞き手にその存在を知らしめるには
どんな「技」があるのかを
考えてみます。
そして、
続いて(2)(3)について整理したいと思いますが、
ひとまず寝ます。
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