落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2010年12月29日水曜日

押し引き

「ちょうどその頃湯島天神の境内では
富の当日でございまして
鳥居をくぐって中に入るってえともう大変な人で
まるで年に一度のお祭りのような騒ぎ」





「押し引き」という言葉があります。
掛け合いの押し引きとか、
カメラの押し引きとか、
麻雀の押し引きとか、
いずれも、攻める方とそうではない方の対比です。

これを意識すると、落語がさらに
立体的になるようです。

「宿屋の富」では、
宿屋のアルジが客の話を聞いているときは
「引き」ですが、
富くじを売る段になると「押し」になります。
客はその逆ですから、
その変化をハッキリつけられれば、
さらに良くなると思います。

湯島天神に場面が変わるときも、
「カメラの押し引き」 の意味で「引き」です。
ここでは、情景を俯瞰しているかのように、
雄大に話すことで「引き」から人物へ寄っていく
「押し」を効果的に表現できると思います。

「押し引き」という二元論な捉え方は
乱暴かもしれませんが、
話にメリハリをつける上では
有用だと思いました。

    

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