落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2021年2月4日木曜日

【 落語の雑則 24】 二者はテンポで分ける


落語はおよそ二者の会話

その二者を分けるには

カミシモでは不十分

だって

落語は話芸


ハイウェイを

飛ばしていても

デッキチェアを

広げていても


誰が誰なのか

ハッキリ分かるには

どうしたらいいのか


子供は高い声とか

ご隠居は低い声とか

声色を変えたりする

しかしどうだろう


時々

どこかしっくり来ない

落語になってしまう事がある

それはおそらく

自分の声の音域に無理な声を

絞り出しているからだろう


声色には限界がある


テンポで二者を分ける


そりゃ早口のご隠居も

のんびり喋る熊さんも

いるだろう

けれど

二者を識別する為に

早口の熊さんと

のんびり喋るご隠居に

登場していただく


同じ声色でかまわない

いや、自分の地声がいい

不自然に聴こえてしまっては

その瞬間にお客は離れてしまう


子供の落語家は子供の声で

女性の落語家は女性の声で

高い声の落語家は高い声で

低い声の落語家は低い声で


厳ついお武家も

色っぽい花魁も

やんちゃな子供も


それぞれのテンポで

そして

その上に

それぞれの情感を載せる


落語家自身の声なのに

様々な登場人物の声に

聴こえてくる


そんな落語を追究したい


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