落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2009年7月29日水曜日

ウワバミさん

田能久は難しいですよ。
いえ、芸としてどうのとか、
かけだしの身で言えることは
何もありません。
あくまで、
このお話に対してのことでして。

このプロット、
どうしてもウワバミさんに
気持ちが向いてしまうんです。
主人公が弱いんです。
そう、脇役に負けているんです。

この話は
田能久さんのストーリーなのか
ウワバミさんのストーリーなのか
あるいは、運命の不条理なのか

例えとして
そぐわないかもしれませんが、
ヤッターマンとドロンジョサマの
関係に似ています。
ボヤッキーが居ないのが
ちょいと寂しいんですが、
ファンなので。

ヤッターマンは
ほんわかした後味がいい。

どうでしょう、
そんな後味を狙うとしたら、
最後にウワバミさんを
救ってあげるプロットが欲しいですね。
そして、続・田能久を予感させる
エンディングだともっといいですね。

全体を通して、
気持ちが大きく変化していく様を
克明に描かれているのは
久兵衛さんではなく、
ウワバミさんです。
ウワバミさんの寂しさを
久兵衛さんが
理解してあげる行があれば、
ウワバミさんの切なさを
より表現できると思ったりします。

友として信頼を寄せていた
久兵衛さんを失ったという思いと、
最後まで「はい、狸です」と言った
久兵衛さんの言葉を
信じていた思いとを、
クライマックスの対決にのせて
描くことが出来たなら、

私の今までの時間のなかで起こった
「似た出来事」を
思い返さずにはいられないでしょうね。

なぜなんだ、なぜなんだと
ヤケになって
都々逸まで唄っちゃうくらい、
自分を嗤っちゃうくらい、
傷ついてしまったウワバミさんを
なんとか救ってあげたいです。

【「おめぇがしゃべったからおらあこんなざまだ、みろ、頭あ裂けちまったよ血がめえん中へ入ってもう物がめえねえあーあーあー、オレの寿命はもうもたねぇやオレの苦しみはおめえにもあじわあせるから、さあ、これみてくされーっ」
ガラガラガラガラガラガラガラガラア
えらい音がして、
年寄りはパッと姿あ消した。
家んなか見ると、
大きな箱がふたあっつ、
なんだろうと久兵衛さん開けてみると
小判で三億両。】

久兵衛さん、
思わず外に向かって
「ウワバミさぁん、ごめんなぁー、
わるかったよー、かんべんしとくれよー、
それと、これ、ありがとぅよー、
これでおっ母さん、治療できるよ、
この恩返しゃ必ずさせてもらうよー」

するとウワバミさん、パッと現れて、

「おぉ、ほうかい、ほうかい、
じゃ、オレのことも治療してくれ、
それとな、今また
あいつらに追っかけられとるんだ、
な、たのむ、
オレを連れて逃げてくれねぇか」

「無理ですよ、そんな身体じゃ」

「心配するこたぁねぇ、
オレは蛇、
足手纏いにゃならねぇよ」

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