落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2009年8月3日月曜日

酔っぱらい

「四角い部屋に丸く吐く」
なんてことを自慢したりする、
まあ酔っぱらいぐらい
始末の悪い物はいませんね。

酔ってることが免罪符になる、ね。
多少のことは許してもらえるんじゃ
ないかなぁなんて、甘えるわけです。

人によるでしょうが、私の場合、酔うと、
そこはかとなく侘びしくなるんです。
なんてんでしょうかねぇ、
ふわぁーっとした心地に包まれると、
色んな事がやんなっちゃう。
いえね、冷静になるってんじゃなくって、
そうじゃなくって、
何とも感じてなかったことが、
チチチチっと
火花を散らし始めるんです。
「冗談じゃねぇよぃ、
寝言は寝ながら言ぇい」なんて、
思い出さなきゃ忘れてることを
酒が思い出させます。

頭がジーンと痺れてくる。
それは不思議でね、
怒ってるってんじゃないんだなあ、
いや、たしかに
「こんにゃろ」と思うんですよ。
素面なら喧嘩ですよ。

ところがこれが酔ってるときってのは、
怒りじゃないんだなあ、
なんていうか、
なんだか可笑しくなってくる。
そして、もう既に
許している自分に気がついてね、
だから怒ってると言うより
甘えてるんだな。
そうか、甘えたくても甘えられない、ね、
だから侘びしくなるんだな。

酔って目を閉じると、
髪の毛を持って頭を後ろに
引っ張られていくような感じがして、
周りの音が妙に響いてくる、
と、気持ちよく
自分一人になっていくんです。
一人だけど「ま、いっか」て
気がしてくるんだなあ。

「替り目」の亭主も酔っぱらいです。
亭主も酔って
「自分一人」を感じているはず。
だから、「車屋に絡みたい、
かかあに会いたい、
かかあを想いたい」とね。
甘えたいんだ、ね。
だから、わかってることだけど、
「いい人」ってのは、
上手に甘えさせてくれる人だよねぇ。
おっと都々逸が聞こえてきましたよ、
「お酒飲む人しんから可愛い 
飲んでくだまきゃなお可愛い」

2 件のコメント:

  1. お酒ね。
    お酒を飲むと人が変わるとかいいますねぇ。
    本性がでるとか。
    あ、車の運転なんかも同じ事が言われるねぇ。
    いつも穏やかな笑顔の人が、思いっきりクラクション鳴らしたりしちゃうんだよぉ。
    まぁ、だからこそ面白いとゆうか
    お酒にちなんだ唄は数知れず。
    「呑んでー呑んでー」やら「呑ませて下さいもう少しー」やらねぇ。
    こんなのもあったな「今夜はアナタにワインを振りかけー」掛けられた方はたまらない。カカアに怒られちまうよ。
    しかしなぁ、どうにも「ヤケ酒」みたいな曲が多くてな。湿っぽくていけねぇや。
    もう少し、ラテンのノリみたいな明るさが欲しいところだねぇ。
    日本人のまじめさとラテンの明るいノリが一つになったら、そりゃ無敵じゃないのかね。
    古典落語、ラテン落語なんちゃってね。
    漢字にしたら「羅典落語」結構、抵抗無くなったでしょう??

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  2. 羅典落語だったら、しくじっても
    きっと文句言われないでしょうね。
    「こんなもんでどうです」
    「じゃまいいかぁ」(Jamaica)

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