落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2009年12月7日月曜日

京の大石内蔵助


江戸の頃もきっとこんなふうにねんねしていたのでしょう 



今日の創作小咄#69

歌川広重 京の四季 冬



↓ 音が出ます、千一亭本当が「京の大石内蔵助」を演じます


「ご隠居、ここでござるか」

「そうだ、真之介、
この門より入りて、すずっと奥に
大石殿は居られるはず。
ん、どうしたニコラス」

「門柱の陰に人が倒れておりますぞ」

「なに、それはいかん、どれ、
おっ、これは隠密ではないか、
な、真之介」

「はっ、確かに隠密、
これは、
死んで居るのではござらんか、ご隠居」

「死んで居るのであれば脈がないはず、
ニコラス、脈をとってみなさい」

「はい、ん、脈がない、
こいつは死んでるぞ、
あ、懐に密書が、ご隠居の小判もあるぞ。
おや、これは、これはなんだ、真之介」

「おっ、これは
四十七士の血判状ではないか、
まてよ、すると、この方は、
隠密などではなく、
赤穂浪士であったのか、ご隠居」

「いや、赤穂浪士ならば、
赤フンを締めているはず、真之介」

「なるほど、
浪士は赤フンを締めるものでござった」

「これこれ、いかがいたしたかな」

「おお、これはこれは大石殿、
お久しぶりでござる、
ちようどよかった、
この死体、浪士の方ではござらぬか」

「なに、うむ、面体に憶えはないが、
まこと浪士ならば
赤フンを締めているはずだが」

「あっ、ご隠居、死体が動いております」

「あーーーあ、良く寝、
わっ、」

「こらっ、まて、隠密、
あっ、またしても、
逃げ足の速い奴でござるな、ご隠居」

「おかしいではないか、
死んで居ったのだろう、ニコラス」

「はい、確かにこうやって、
真之介、手首を貸せ、
このように脈を採ったのでござる、
ん、真之介、おぬしも脈がないぞ、
死んで居るのか」

「そっちじゃない、脈は裏でとるのだ」

「何を言うか真之介、
表でよいのだ、大石殿ならご存じだ。
脈は表でとるものでござろう大石殿」

「いいや、それじゃシッペぇだ」


今日の創作都々逸#97

(アーアヤンナッチャッタアーアオドロイタ)

忘年会の帰りです
ガサツな奴と知ってたけれど
気持ち悪いと 部屋に泊めれば
四角い部屋に 丸く吐く

キチンと吐かれても困っちゃうけどね

(アーアヤンナッチャッタアーアオドロイタ)

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