・左平次の意識を整理して、意識下に左平次の意識を漬け込みたいと思います。ただ、それにはちょいと時間が足りないのですが。でも、まあ、今回は間に合わなくとも、来年には漬け上がってくるものと思います。
①左平次は初犯です。吉原での出来事から学習しての犯行です。ですから、焦燥感はありますが、左官仕事の経験から、一発仕上げの度胸はついています。また、吉原の経験から、相対したときの力の抜き加減も心得ています。
・それでも、最初の若い衆との対面では、ついつい「呑み込んでやろう」という気迫が出てしまいます。
②しかし、座敷に上がった後は、「これじゃいけない、落ち着け」と自分に言い聞かせ、遊び人の体を創ります。さらには、部屋の様子を褒める余裕をも見せます。もちろん、「うまくいくかな」という不安は常に付きまとっています。そのあたりを語尾で微妙に表現したいところです。
・若い衆には威圧する形を作って見せたり、気取って、「どうだい、俺様はな」といった形を作ってみせたりして、若い衆に「この客はいい客だ」と思わせようと頑張ります。ですから、「ほんとですかい」という若い衆の「勘ぐり」にはきちんと否定します。ただ、初めてのことなので、ついつい、焦って強く否定してしまいます。その時になるとあまり余裕がありません。ですが、その後、若い衆が「わかりました」と信じたらすぐに、ほっと余裕が出て、「うーん、そうだなぁー、なにがいいかなぁー」と安心してゆっくりとした調子で注文します。
・ここは焦りと余裕が交互に全身を覆います。
・「勘定をしたいんだけれどー。ないんだよ。」というところは、軽く会釈をしながらすまなそうにします。威張って言い放つより、「ないんだよ」ですっと力を抜く方が落語的であり、くわえて、左平次の後ろめたさを表現できると思います。
・よしさんとの会話は強く焦りが出ます。そこで、「ここが勝負」と力強くしっかりと発言します。そして、「えー、アンドン部屋はどちらでー。」以降は、勝負に勝ったという歓びから、余裕で浮かれて楽しげに声も高くなります。
③「あなたがかっつあん、やっぱりねー。」からは注意して浮かれずに、じわっと下から勝っつあんに、悪い相談を持ちかけるように言い寄ります。そして、酒を飲んでからは、次第に我を忘れ、声が高くなっていきます。さらに、ご祝儀を貰ってからは、ただただ、自分の嘘のなかに浸りきって、最高潮に盛り上がります。一直線に高揚感を見せます。
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