落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2009年9月2日水曜日

火事の秘密

「火事と喧嘩は江戸の華」
喧嘩はいいよ、仲直りが前提だもの。
でも、火事はそうはいかない、
全部持ってっちゃう、
命までも持って行きかねない。
それが華だなんて、
なんとなく納得がいかない、
なにかありそうな予感。
なんと、その予感が的中したんです。
火事には秘密がありました。

福沢諭吉が創設した
「時事新報」に
自身が書いた記事の中で、
火事についての記載があります。

それによると、
そこには人力車を生業にしている家族が
焼け出されている様子が
書かれているのですが、
なんと、喜んで、祝っているというのです。

なぜなぜ。

それは、人力車、夜具、家財道具、
もちろん長屋、全てがレンタル、
しかも、弁済義務はない。
私財は鍋釜と
柳行李(やなぎこおり)一つと妻子だけ。
それらが無事なら、
新しい家になるわけで
お祝いだというのです。

「もっと半鐘鳴らさなきゃだめだよ」
「なんでだい」
「そのほうがジャンジャン燃えるよ」

今日の創作都々逸#26

会いたさ会なきゃ いたさが残る
いたさに愛湧きゃ また会いたい

0 件のコメント:

コメントを投稿