落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2009年12月24日木曜日

お詫び

ずいぶんとご無沙汰してしまいまして、
申し訳ありません。

身の回りが急に忙しくなったことを理由に
甘えてしまいました。

とうとう、一行を京都からきちんと江戸に戻すことも
出来ずじまいになってしまいました。
そのお話はまた機会を見つけて
作ってみたいと思います。

今日はクリスマス・イブです。
私の家はお盆にはお寺さんで法事とか
近くの神社に初詣とかとかですから、
クリスマスに特別な意味はありませんが、
この日にはどこか暮れの忙しさの
クライマックスのようなイメージを抱いています。

ですから、明後日からは、
忙しい暮れとともに一年を終えて、
いよいよ新年を迎える支度に入るんだなと
いう感じがしています。
まあ、何かと気忙しいですが、
これもまたいいものですね。

今、千一亭本当は「芝浜」を稽古しています。
よく知られた暮れの噺です。
「芝浜」を演りながら、ふと思いました。

日本の良さを語るとき、
よく「四季」という言葉が出てきます。
中でもこの12月は
日本の暮れならではの文化が見られます。
それは新年を迎える文化です。
江戸の頃から、いえ、それよりずっと前から、
新しい年を迎えることは
日本人にとって大きな出来事だったのですね。
『日本人の心』というものがあるとしたなら、
それは、毎年、お正月を迎える度に
大切に育まれてきたに違いありません。

「芝浜」には、

その『日本人の心』そのものに、
直接触れているような、
心情を心情そのままに、
あたかも、心を共有しているかのような空間に
身を置いているような、
そんな不思議な感覚を呼び起こされます。

私は家の地下に、
千駄ヶ谷一丁目だからということで、
「千一亭」と名付けた部屋を作りました。
 先の12月19日には、
三遊亭圓窓師匠、三遊亭窓輝師匠
の落語会の会場になりました。
70人を越える笑顔が集まりました。

去年の今頃、この場所は、
このビル建築の資材置き場でした。
それが、たった一年で、
得難い落語会を開くまでになりました。
ここ「千一亭」がそんな空間になったのかと思うと、
ドキドキします。
これは夢かな、いえ、どうやら夢ではないようです。 
江戸の頃から、いえ、それよりずっと前から、
大切にされてきた年の瀬の有り様を
「芝浜」に感じながら、
皆様と一緒に新しい年を慶びたいと思います。

それでは、
一杯呑ませていただきます。
あ、
やっぱり止めときます。 

・・・

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