落語草 (千一亭志ん諒 落語ブログ)

2010年9月30日木曜日

二番煎じ6

助六由縁江戸桜の見栄

二番煎じの たっつあんは
この助六気分でやりぁしょ

「左の方の手にゆみはりをこう持って

こっちのほうの手でもって
金棒を
こういう具合に
チャリーンと

こう突いて歩いてるんで
えー 
そうするってえとねぇ
ま女なんざ
みんな心配してくれてぇ

『おや 
火の回りじゃないか
ご苦労さんだねえ
こっちへ来て 
一服しなんしなあ』
なんてんでねえ

あっちからも 
こっちからも
まキセルの雨が
降るよおだ」

「なにをいっちゃてんだ
早くやっておくれ」

「やりますよ

こんな具合ね

チャリーンと
火のよーーーー
おーーーー
じーーん
さっしゃーー
りゃーーしよーーぉ」

2010年9月29日水曜日

小粋なラスト


ついついこんな時間まで
アヒルと鴨のコインロッカーを見てしまった
フィッシュストーリーを二度見してしまった後だけに
完全にオミマイされてしまった

どちらも
美味しいところは
なんといっても
ラスト
そして
その後に続く残響だ

「それをやりたかったんだね」
と呟いてしまう小粋なラスト

落語も同じだ
ラストを
小粋に作ることができれば
残響を残して

例え二番煎じと言われても



Fish Story (逆鱗)の歌詞

僕の孤独がぁぅ
魚だったらぁ
巨大さと獰猛さにぃ
鯨でさえ
逃げ出すぅ

きっとそうだ
きっとそうだ


僕の孤独がぁ
魚だったらぁ
巨大さと獰猛さに
鯨でさえ逃げ出す

オレは死んでないぜ 
オレは死んでないぜ

音の積み木だけが 
世界を救う

僕の挫折が
魚だったら
悲痛さと滑稽さに
海にさえ棲みかがない

オマエはホラ吹きだ 
オマエはホラ吹きだ

音の積み木だけが 
正義の味方

Oh Oh Oh
Oh Oh Oh
Oh Oh Oh

僕の正義が魚だったら
貪欲さと傲慢さで
海底の
マグマを
爆発
させてやる!

《無音 もしくは》

(岡崎さん、岡崎さん
これは
誰かに届くのかなあ

なぁ
誰か聞いてんのかよ
 今このレコード聞いてるやつは
教えてくれよ
届いてんのかよ

これ
すっげえいい曲なのに
誰にも届かないのかよ
 ウソだろ
この曲は誰に届くんだよ

届けよ誰かに

頼むから)

僕の孤独がぁん
魚だったらぁん
巨人さと獰猛さに
鯨でさえ逃げ出すぅ

オレは死んでないぜぇ 
オマエの目は節穴

砂糖たっぷりの 
アメ玉
しゃっぶってなぁ!

Oh Oh Oh
Oh Oh Oh
Oh Oh Oh

僕の勇気が魚だったら
巨大さと
若さで

月光の揺らめく波を 
嵐に
変えてやるぅ!

オレは死んでないぜ 
オレは死んでないぜ

オマエはホラ吹きだ 
オマエはホラ吹きだ

音の積み木だけが 
音の積み木だけが

宇宙に届くぅ 
世界を救うー

ダンダダッダァン
ダンダダッダァン
ダンダダッダァン
ダンダダッダァーアン

2010年9月28日火曜日

二番煎じ5

三味線を弾く女、喜多川歌麿
志ん朝さんの二番煎じ
伊勢屋さんが披露するのは
清元節だそうです

2010年9月26日日曜日

二番煎じ4


猪鍋、ぼたん鍋です
厚木の飯山温泉、元湯旅館はこれが名物です
これからは
美味しい季節になりますね

細かいことですが
番小屋には
湯通ししてから
持ってきたんだと思います
出汁もちゃっちゃと
とったということにして
5人ですから
このくらいでしょうか
箸は割り箸じゃない
ということもありますね

かなり寒いのですから
湯気が立ちのぼって
よく見えないという演出もいいかもしれません

「1886年、創業者小菅丹治が神田旅籠町に
「伊勢屋丹治呉服店」を創業。
ここから伊勢丹の歴史がはじまります。」
とあることから
伊勢屋さんのモデルは小菅丹治さんかもしれません

それにしても
この話は伊勢屋さんのタヌキぶりにかかっています
いきいきとした楽しい老人をどう作っていくか
いよいよこれからです

2010年9月25日土曜日

船徳4



「船に船頭」 (端唄)


船に船頭 ささやいて
今朝の出潮に 首ったけ
惚れて通えば 千里も一里じゃえ


ご存じ、「船徳」で志ん朝さんが
最初の一行目を唄います

それを他の方で聞いてみました
すると
この「惚れて通えば」の「ば」
「ば」と唄わずに
「んば」と唄っているんです

これこそ
志ん朝さんの
「ね、ん」のヒミツなんじゃないかと

発見したような
嬉しい気持ちになりました

2010年9月24日金曜日

二番煎じ3

鳴子
拍子木
「え
それでは
一の組
伊勢屋さん
すいません
お付き合いいただきます
鳴子をお持ち頂きたい


えー
それからね
黒川先生
拍子木を持ってくださいまし
え 
それからあ
たっつあん
お前さん金棒だ
え 
それから
そうすけさん
お前さん
提灯もっとくれ
え 
じゃあこれだけ一の組でごあ
え 
じゃあこれだけでまわって参りますんで」

今日は雨になりまして
いきなり涼しくなりました
この話が出来るようになるコロには
きっとこの話が似合う季節になるんだろうなと
ちょっと楽しみになりました

2010年9月23日木曜日

二番煎じ2

腹掛けに股引(ももひき)

刺子の長半纏

そろばん玉の三尺(半纏帯
豆絞り手ぬぐい
弓張

金棒


「えー
またあいつあね
なりが
よござんすよ
なりが
ねー
 

腹掛けに股引(ももひき)でございあすよ

刺し子の長半纏を着てね

そろばん玉の三尺を締めて

首っところに豆絞り手ぬぐい結んで

え 
左の方の手に弓張
をこう持って

こっちのほうの手でもって
金棒
こういう具合に
チャリーンと
こう突いて歩いてるんで
えー 
そうするってえとねぇ
ま女なんざ
みんな心配してくれてぇ

「おや 
火のまわりじゃないか
ご苦労さんだねえ
こっちへ来て 
一服しなんしなあ」
なんてんでねえ

あっちからも 
こっちからも
まキセルの雨が
降るよおだ」

形が見えてくると
さらに楽しくなります

たしかに
こいつぁ目立つけど
刺し子の長半纏と言っただけじゃ
解らないよん




「背中にゃ
龍とか雷神とかが
ぎぃーっと
睨んで
いるような

派手ぇな 刺し子の長半纏を着てねぇ」

てぇ
ぐらいに
言ってみるかなぁ





2010年9月22日水曜日

二番煎じ

志ん朝さんが
二番煎じで
お酒をつぐシーンでは
声を常に出しながら
台詞を言います
そこをさらうと

「え 
どうも先生
どうも 


ありがと

ミナさんに



もう 
あの

みなさん
配った



それじゃしとつ



さっきよ
だいぶあったかくなった
おお
おー
だい
おー 

こうなったら
だいじょ
じゃあ
やりましょう




えー
なにをおっしゃいます

えー
どうもどうも 
へへっ

へへ
どう 

これは楽しみでございあ


へへ
さあさ 
伊勢屋さん
いー
いきましょう

えー

もう

こういうねえ

えー
何よりもね
楽しみという


そうすけさん
やっとくれ




煮方にばかり
まわっちゃうてえと
損するよ


ん」

ね、賑わってますね

2010年9月21日火曜日

敬老の日の落語会2



行ってきました
寿八さんは「浮世床」
ボクは「井戸の茶碗」
好評だったようで
また来年もと
お褒めの言葉をたくさんいただき
いい気分で帰ってきました
お世話していただいたキョンキョンさん
ケアプラザ職員の皆様、
学園台クラブの皆様、
ありがとうございました
また来年も是非
伺いたいと思います

「井戸の茶碗」は構成を変えて臨みました
ダレ場は快速運転で
ヌキ所は丁寧にやりました
ちょうど20分でした
これから
ビデオを見て
忘れないうちに
修正します
では
タタタタタッ

2010年9月20日月曜日

出前寄席


「おまちどう
いい梨ですよ
8つありますから
ハナシですよ

いーい
ハナシでしょ」

「うーん
でも
それ
どう見ても
リンゴですけど」

「ははは
ま、まぁ

ですから
今日は
その
アップルと
私の
美味しい落語を
聞いて
もらいますよ」

「美味しいだなんて
もう
ほんとに
出前みそ
なんだから」


それでは
いってきまーす
タタタタタッ

2010年9月19日日曜日

敬老の日の落語会


奈良地域ケアプラザ
明日9月20日敬老の日に
午後1時から「落語会」をします。
キョンキョンさんのお世話で
寿八さんと一緒に出演します。


どなたでも入場できます
無料です
お近くにいらっしゃいましたら
是非お越し下さい

【所在地】
〒227-0036
横浜市青葉区奈良町1757-3
●東急田園都市線「青葉台駅」より
東急バス118系統
奈良北団地行き 奈良小学校前下車
徒歩3分
●JR横浜線「十日市場駅」から
市営バス23系統
奈良北団地行き 奈良小学校前下車
徒歩3分 

寿八さんは「浮世床」
私は「井戸の茶碗」の予定です

2010年9月17日金曜日

鰻の幇間 8


鰻の幇間です

上の写真は
「あの方はなんでしょう?
こちらの大事なお客様
お馴染みさんでしょ

え、
初めてお見えになりました

君ね
その
どきんとするようなことを
言っちゃやだよ
今、
顔が冷たくなったよ」

下の写真は
「えへへへ
そうは行かないの、
あたしの方が脅かすから、
えへへ
冗談言っちゃいけません、

ほら、あは、
中から鍵開けてるよ、
えー、
オドかしちゃうから、
それー、
うわー」


ってとこです

自分で作ったくすぐりも
うけていたようで
ほっとしました
こんなんですが


「へへへ
もうあたしあねえ
こうこは大好きで
ええ

ガキのコロから
こうこばっかり
食べてましてね

よくおふくろが
いってました
ほんとおまえは
こうこう息子だねえ
なんて

へへへ」


もっとこうしたいああしたいと
またまたいっぱい見つかって
まだまだやりたいんですが
ここはひとまず先に進むことにして
今日から「二番煎じ」です

百貨店も落語も
冬物にシフトです
 タタタタタッ

2010年9月16日木曜日

鰻の幇間 7

寿八さん、子ほめの熱演です
いいー笑顔です

あっというまに明日が稽古会、
撮っておいた映像をDVDにする作業を忘れていました
今この入力画面の裏で、せっせとエンコードしています

鰻の幇間は「だれ場」がタイヘンです
一本調子にならないように、
些細な事からくる細かな感情の移ろいを
どれだけはっきりと出せるか、
声の調子も、
どれだけダイナミックレンジを大きくとれるか、

とにかく、なんといっても大切なのは
睡眠時間です

エンコードは
このこに任せて、
もうねます、
起きたらDVDを焼きます
おやすみなさい

2010年9月15日水曜日

鰻の幇間 6


「何だいこの徳利の
このね、
ふちが欠けちゃってる、
これはまあ許してやろう
ね、ん、
ま、ゆるしてやるけど、
このガラが良くない、
ガラが
無地にするとか、ね、
山水とか、
そういうものにしなさい
鰻屋で使うんだから

なんだいこれ?
狐が3匹で
ジャンケンしてるって
なん、

何かねぇ
ばかされそうな
だまされそうな、ね
んとおにぃ、
これ、本当に酒かいなと
思うじゃないか

冗談じゃねえや」

って
こんな感じかなあ
と、いたずら書きしてみました

2010年9月14日火曜日

鰻の幇間 5

「いよっ、あーた、はは、どー、すごいっ」
いいですねぇ、
この目がなんともいえない、ね、
左手の指がきちんと伸びてます、
あの親指がなかなかできません、
あの形から、外に円弧を描くように
ぐるっと動かして、
「アサガオの黄色いのなんか、
もう、真っ白に、
きれーーいにしちゃうんだから」
なんて言っちゃう、
ねぇ、
どこをとっても素敵だなぁと思う、
ね、
ん、
もう志ん朝さんには会えないけれど、
志ん朝さんという芸術は常に傍にある、
その
志ん朝さんとはなんだろう、
ね、

落語がときとして、
現代社会に失われつつある何ものかを
気づかせてくれるモノだとしたら、

落語には現代社会が求めている何ものかが
明らかにあるわけで、

志ん朝さんのはなしに感動するとは、
その何ものかが、
その感動の中にあるのだから、

まさに、
志ん朝さんの芸術は
現代社会に感動をもたらすもの
であることに違いなく、

つまりは、
現代社会を反映させている

志ん朝さんという芸術は
実に現代的だ

だから、
志ん朝さんには会えないけれど、
明らかに
志ん朝さんは今を生きている

その反映の中に
今を問いかけながら

心に心を動かされる実感が
確かに
志ん朝さんの落語にはあるのだ

2010年9月13日月曜日

鰻の幇間 4

「糸柾のいい
のめりの
駒下駄があっただろう」
というのは
たぶん
こんな感じでは
のめりとは千両とも言って
千両役者が好んで使ったんだそうです。
粋な下駄ですね。

2010年9月12日日曜日

鰻の幇間 3


「ウナトトのろ」
と一八が言うんです
この「のろ」とは
なんだろう?

茨城弁で「のろ」は
とろっとしたものをいうらしい
それかな?

誰かわかる人いますか?